付加年金とは?2年で元が取れる仕組みや加入するメリット・デメリットを解説

「自営業なので将来もらえる年金が少なくて不安…」「老後資金を増やしたいけど、何から始めればいいかわからない」と悩んでいませんか?

付加年金は国民年金第1号被保険者なら誰でも加入でき、2年で元が取れる高い投資効率が魅力です。
老後の備えを少しでも増やしたい方は、本記事をぜひ参考にしてください!

付加年金とは

付加年金とは、通常の国民年金の保険料に400円を追加して納めると、老後に受け取る年金が増える制度です

令和7年度は国民年金保険料は月17,510円なので、付加年金に加入すると月17,910円を支払うことになります。

国民年金に「上乗せ」する形で利用する制度であるため、土台となる国民年金をきちんと納めていることが前提です。

保険料を納めた月数に応じて将来の年金額が決まる仕組みで、納付期間が長いほど受け取れる金額も増えていきます

加入できる人の条件

付加年金への加入は、国民年金の第1号被保険者に限られます。具体的には、自営業者やフリーランス、農業者、学生、無職の方などが対象です。また、60歳以上65歳未満で国民年金に任意加入している人も利用できます。

国民年金の保険料の免除や猶予を受けている方は対象外となるので注意しましょう。

付加年金で受け取れる年金額の計算方法

将来受給できる付加年金の額は「200円×納付月数」で計算されます。

計算式がシンプルで分かりやすく、納めた期間に応じて確実に年金が増える点が付加年金の魅力といえます。

実際にどれくらい年金が増えるのか、加入期間別に具体的な金額をシミュレーションしました。

10年間加入した場合

納付する付加保険料の総額   400円×120ヶ月(10年間)=48,000円

受け取れる付加年金額(年額)  200円×120ヶ月=24,000円

20年間加入した場合

納付する付加保険料の総額   400円×240ヶ月(20年間)=96,000円

受け取れる付加年金額(年額)  200円×240ヶ月=48,000円

付加年金は、支払総額の半分の額を1年間で受け取れ、トータル2年で元が取れることがわかるでしょう。

平均寿命まで生きると仮定すれば、十分なリターンが期待できますね!!

付加年金に加入するメリット

付加年金は、わずかな負担で将来の年金を増やせるだけでなく、税制面でも優遇される魅力的な制度です。ここでは付加年金に加入する4つのメリットについて解説します。

2年で元が取れ、投資効率が高い

付加年金は受給開始から2年経てば納めた保険料を回収できます。65歳から受給を開始した場合、67歳以降は納めた額を超える年金を生涯受け取れるため、長生きするほどお得になる制度です。

老齢基礎年金の繰下げ受給で増額される

老齢基礎年金は、受給を65歳より遅らせると1ヶ月あたり0.7%ずつ増額されます。付加年金は老齢基礎年金とセットで受け取るため、繰下げを選ぶと付加年金も同じ割合で増額されます。

たとえば70歳まで繰り下げれば42%、75歳まで待てば84%もの増額となり、より手厚い年金を受け取ることが可能です。

納めた保険料すべてが社会保険料控除として使える

付加保険料として納めた金額は、全額が社会保険料控除の対象です。

確定申告や年末調整で申告すると、所得税や住民税を計算する際の課税所得から差し引かれます。将来の年金を増やしながら現在の税負担を下げられる点は、大きな魅力です。

付加年金に加入するデメリット

多くのメリットがある一方で、知っておくべきデメリットもいくつか存在します。

加入を検討する際は、以下の5つのデメリットを理解したうえで判断しましょう。

年金を受け取る前に亡くなった場合、保険料は返金されない

もしも受給開始前に亡くなった場合、死亡一時金として8,500円が上乗せされるだけで、納めた保険料は返金されません

仮に30年間加入していた場合には、総額で144,000円を納めており、大きく元本割れしてしまいます。

受給から2年以内に亡くなると元本割れする

受給開始から2年で元が取れる制度ですが、2年未満で亡くなると、当然払い損になります。

平均寿命を考えると多くの方に有利ですが、健康状態に不安がある方は慎重に検討しましょう。

物価スライド制度が適用されない

付加年金には、物価の変動に応じて年金額を調整する「物価スライド制度」が適用されません。一度決まった金額が生涯固定されるため、インフレが進んでも受給額は変わらないのです。

長期的に見ると、物価上昇によって実質的な価値が目減りする可能性がある点はデメリットといえます。

老齢基礎年金の繰上げ受給で減額される

老齢基礎年金の受給を60歳から繰上げすると、同じ割合で付加年金も減額されます。1ヶ月早めるごとに0.4%ずつ減額され、60歳から受給すると24%減です。元を取るまでの期間が2年以上に延びてしまいます。

iDeCoで積み立てられる上限額が付加保険料分だけ減る

iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入している方が付加年金を利用すると、iDeCoの拠出上限額が月1,000円減ります。年間では12,000円少なくなり、仮に運用利回り3%で30年間積み立てた場合、約58万円の運用益の差が生じる計算です。

iDeCoで大きな金額を運用したい方は慎重に検討しましょう。

付加年金と国民年金基金、iDeCoはどう選ぶ?

自営業者やフリーランスなどの第1号被保険者が任意で利用できる年金制度には、付加年金のほかに、国民年金基金、iDeCoがあります。検討する際には、違いをよく理解し自分に合ったものを選びましょう。

違いを表にまとめました。

付加年金国民年金基金iDeCo
掛け金(月額)400円上限68,000円5,000~68,000円
受給額200円×納付月数プランや口数による運用成績による
受給時期65歳(繰上げ、繰下げ可)60歳または65歳60~75歳で選択可
税制の優遇社会保険料控除社会保険料控除小規模企業共済等掛金控除
受給方法終身年金終身年金、確定年金一時金・年金・一時金と年金の併給
中途解約不可(掛金の減口は可)原則不可

付加年金は月400円で年金額が確定し、少額でも見通しを立てやすい制度です。国民年金基金は終身年金が中心で、将来の受給額を早い段階で把握できます。iDeCoは運用商品を選べる仕組みで、受給額は運用結果で変動します。

安定した上乗せを望む場合は付加年金や国民年金基金が向いています。運用リスクを受け入れつつ受給額を大きく増やしていきたい場合はiDeCoが選択肢になるでしょう。

次に併用の可否について解説します。

付加年金と国民年金基金は併用不可

付加年金と国民年金基金は、どちらも国民年金に直接上乗せする制度のため、同時加入は認められていません。特徴を理解したうえで、どちらか一方を選ぶ必要があります。

付加年金は月400円で年金額が一定ですが、増やせる年金額には上限があります。国民年金基金は月68,000円を上限に掛金を自由に決められる仕組みとなっており、多く積み立てるほど、老後に受け取れる年金も増える設計です。

毎月の負担を抑えて堅実に備えたい方は付加年金、より多くの老後資金を準備したい方は国民年金基金が向いているでしょう。

iDeCoとの併用がおすすめ

iDeCoは私的年金の位置付けなので、付加年金や国民年金基金と組み合わせて利用できます。付加年金や国民年金基金で年金受給額を増やしながら、iDeCoでさらなる上積みを狙えるのが併用するメリットです。

付加年金と組み合わせる場合、付加保険料の400円を差し引いた月67,000円(掛金は千円単位のため)がiDeCoの上限です。国民年金基金と組み合わせる場合は、両方の掛金を合わせて月68,000円が上限となります。

掛金は所得控除の対象となるため、節税と老後資金準備を同時に進めたい人におすすめの方法です。

付加年金の申し込み方法

付加年金に加入するには、市区町村役場や年金事務所に「国民年金付加保険料納付申出書」を提出します。

申し込みをした月分から保険料の納付が始まります。納付期限は納付対象月の翌月末日ですが、期限を過ぎても2年間は納付可能です。

申請時に必要なもの

申請時には、以下のものが必要になります。

・基礎年金番号またはマイナンバーがわかる書類(年金手帳やマイナンバーカードなど)
・本人確認書類

窓口に行く時間がない人は、マイナポータルを利用した電子申請も可能です。

納付方法

納付方法は、以下の3つから選べます。

・納付書による金融機関やコンビニでの支払い
・口座振替
・クレジットカード払い

まとめて前納すると割引が受けられるため、少しでもお得に老後資金を準備したい方は前納がおすすめです。

サラリーマンは付加年金に加入できる?

会社員や公務員といったサラリーマンは付加年金に加入できません。ここでは加入できない理由、加入できるタイミング、配偶者の加入条件について解説します。

加入できない理由

会社員や公務員は厚生年金の加入対象となる第2号被保険者に分類されるため、付加年金には加入できません。すでに厚生年金で国民年金に上乗せした保障を受けているためです。

会社員や公務員が老後資金を増やしたい場合は、iDeCoや企業型確定拠出年金の活用を検討するとよいでしょう。

加入できる場合のタイミング

会社員や公務員を退職して自営業やフリーランスになると、第1号被保険者に切り替わるため付加年金に加入できます。さらに失業中(求職活動中)で国民年金を自分で納めている期間も加入できます。

また、60歳以降に退職して国民年金に任意加入する場合も利用可能です。退職後は付加年金を活用し、将来の年金額を少しでも増やすとよいでしょう。

サラリーマンの妻の加入条件

会社員や公務員の配偶者で扶養に入っている場合、第3号被保険者となり付加年金には加入できません。また、扶養を外れてパート先で社会保険に加入した場合は第2号被保険者となり、やはり対象外です。

一方、扶養を外れて自分で国民年金保険料を納める場合は第1号被保険者となるため、付加年金を利用できます

働き方によって加入資格が変わる点に注意しましょう。

付加年金に関するよくある質問

付加年金について多くの方が疑問に思う点をまとめました。過去の分の支払いや、途中でやめた場合について解説します。

過去の分をさかのぼって支払うことはできる?

付加年金は申し込みをした月の分から納付が始まるため、過去の分をさかのぼっての支払いはできません

たとえば40歳で加入した場合、20歳から40歳までの20年間分を後から納めることは不可能です。将来の年金を増やしたい方は、できるだけ早く加入手続きを行いましょう。

途中でやめたらどうなる?

付加年金は、途中でやめても既に納めた分は将来の年金額にきちんと反映されます

短期間の加入でも納めた月数に応じた付加年金を生涯受け取れるため、支払った保険料が無駄になることはありません。再び納付を希望する際は、改めて申し込み手続きを行えば再開できます。

収入状況に応じて柔軟に停止・再開できる点も付加年金の魅力といえるでしょう。

まとめ|付加年金で月400円から老後の備えを始めよう

付加年金は、毎月400円を納めるだけで老後の年金を着実に増やせる制度です。「200円×納付月数」で受給額が決まり、2年間で元が取れる高い投資効率が魅力となっています。国民年金第1号被保険者であれば誰でも加入でき、納めた保険料は全額が社会保険料控除の対象です。

ただし受給前に亡くなると保険料は返金されず、物価スライド制度も適用されない点には注意が必要です。また、国民年金基金との同時加入はできませんが、iDeCoとは併用が可能となっています。

自営業者やフリーランスの方で老後資金を増やしたい方は、付加年金の加入を検討してみてはいかがでしょうか。早めの加入で長期間納付すれば、より手厚い老後の備えができます。

タイトルとURLをコピーしました